2010年12月一覧
税制改正大綱 《平成23年度速報》
平成23年度税制改正大綱が閣議決定されました。
小規模法人・個人事業者に影響が大きいと思われる
7つのトピックを税理士 芳賀のするどい視点で、取り上げます。
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目次
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1 税制改正大綱とは
2 中小企業の税率は、法人税18%から15%へ
3 消費税の「益税」の縮小! <法人化スケジュールや、売上5億円以上は注意>
4 欠損金の繰越控除の縮小は大企業のみ
5 給与所得控除は大幅な見直し <役員報酬1500万円以上もらうと損?>
6 相続税は増税、保険対策の見直しが必要
7 税務調査の権利が明確に(納税者権利憲章の制定)
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1 税制改正大綱とは
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そもそも税制改正大綱とは何でしょう。
税制改正大綱は、翌年4月から適用される税制について、1月から3月の通常国会で立法する税法の概要を前もって前年の12月に示したもので内閣府が閣議決定したものです。
実際には、来年の通常国会(衆議院・参議院)で法律の条文として可決されない限り、まだ若干の修正の可能性があります。
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2 中小企業の税率は、法人税18%から15%へ
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これまで、『大企業は法人税30%、地方税もあわせ実効税率は約40%。』
『中小企業は18%(所得800万まで)、実効税率は30%弱』でした。
中小企業の税率は、18%→15%となり、地方税もあわせると、実質5%の減税となります。
*平成23年4月1日以後開始事業年度
<税理士 芳賀の視点>
黒字の法人は、利益を次年度以降に後送りすることができれば、実質5%節税になります。 よって、経費について前倒しで計上できれば税金がその経費の額の5%分はお得となるという計算になります。
また、役員報酬で利益を調整したい同族会社にとっては、法人に留保して法人税の対象とするのか、個人に役員報酬として出すことで所得税の対象とするのか、トータルで節税となるそのバランスが変わってきます。給与所得控除も縮小となっていますので、より法人の方で利益を出し、法人で留保する方が得策となりそうです。再シミュレーションが必要です。
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3 消費税の「益税」の縮小!<法人化のスケジュールや、売上5億円以上に注意>
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? 2年前の売上が1000万円未満の法人・個人事業主については、その年の売上に関わらず、消費税が免除されていました。しかし、その前年の半年で売上が1000万円超となる場合には、たとえ2年前の売上が1000万円未満でも、翌年から消費税の課税事業者になることが決まりました。
*平成24年10月1日以後開始事業年度より
?これまで、売上の95%以上が課税売上となる場合は、仕入れ税額控除が全額できていましたが、この対象が、課税売上が5億円以下の事業者に限定されることに決まりました。 *平成24年4月1日以後開始より
<税理士 芳賀の視点>
どちらも、「益税」として、消費者が納めた消費税が事業者のポケットに入るとして以前から問題視されていましたが、その一部を封じるものとなります。?は平成24年10月1日以後開始事業年度から対象となるため、法人設立の際は、決算月をいつにするか注意が必要です。また、半期の売上をどのように税務署に申告するのか実務面での対応が気になるところです。
ちょっとした調整が必要となりそうですね。
また、売上5億円以上の会社については、例年より多くの消費税がかかる可能性があるので改めて確認をして、資金繰りの対策を行いましょう。
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4 欠損金の繰越控除の縮小は大企業(子会社含む)のみ
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「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度及び青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額の100 分の80 相当額とし(省略)ます。ただし、中小法人等については、現行の控除限度額を存置します。」
(注)中小法人等とは、次の法人をいいます。
? 普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの(相互会社等、相互会社等の100%子法人及び資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人を除きます。)
? 公益法人等 ? 協同組合等 ? 人格のない社団等
なお、現行7年の青色欠損金の繰越期間が9年に延長されます。
*平成20年4月1日以後終了事業年度の欠損金額
<税理士 芳賀の視点>
法人税の税率を下げるための財源として、青色欠損金の繰越控除が80%に制限されることになりました。当初の案では全ての企業が対象でしたが、中小企業等には制限されないことになりました。
青色欠損金の繰越控除は、ほとんどの中小企業で、まだまだ利用中であり、これが制限されると、資金繰りとして、経営がなりたたない会社も後をたたないかと思います。
税理士は税制建議という官公署に対して税制についての意見を述べる権利があり、税理士会の各会では、いち早く反対意見を出すなど活動を行ってきていました。この成果が実った形でもあり、大企業に限っての適用となったことで、私もホッとしています。 また、9年に延長されたことも、忘れずに頭にいれておきたい。
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5 給与所得控除は大幅な見直し <役員報酬1500万円以上もらうと損?>
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給与所得控除については、「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整」の二つの性格を有しているものとされており、この性格の影響を各々2分の1であるとして、過大とされている部分の見直しがされました。
・給与収入が1,500 万円を超える場合は控除245 万円の上限を設けることとします。
・4,000 万円超という特別に高額な役員給与については、「勤務費用の概算控除」部分である、給与所得控除額の2分の1の額を上限とします。なお、2,000 万円を超え4,000 万円までの間では、「他の所得との負担調整」部分の一部を認め、控除額の上限を4分の3とする部分も含め、調整的に徐々に控除額を縮減します。
<税理士 芳賀の視点>
同族会社のオーナー役員にとり、給与所得控除をうまく活用することが、大きな節税のポイントになっていましたが、そこにメスが入りました。年収1500万円を境にして給与所得控除額が減ることになるようですので、これ以上の給与収入のあるオーナーは法人税のシミュレーションとセットで見直しが必要です。ただ、給与を2ケ所でもらっていて、一方は役員だが一方は従業員となる場合や、使用人兼務役員などの場合の対応の詳細はまだわかっておりません。なお、平成24年分の給与・役員報酬からの適用となる見込みです。
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6 相続税は増税、保険対策の見直しが必要
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相続税の課税ベース及び税率構造について、次の見直しを行います。
イ 相続税の基礎控除
現 行 5,000 万円 + 1,000 万円×法定相続人
改正 3,000 万円 + 600 万円×法定相続人
ロ 死亡保険金に係る非課税限度
現 行 500 万円×法定相続人
改正 500 万円×法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に
被相続人と生計を一にしていた者に限ります。)
ハ 相続税の税率構造
現 行 改正案
1,000 万円以下の金額 10% 同左
3,000 万円 〃 15% 〃
5,000 万円 〃 20% 〃
1億円 〃 30% 〃
3億円 〃 40% 2億円以下の金額 40%
― 3億円 〃 45%
3億円超の金額 50% 6億円 〃 50%
― 6億円超の金額 〃 55%
<税理士 芳賀の視点>
相続税の対象になる方は、亡くなられる方の100人に4人程度でした。今後はより多くの方が対象となるため、資産のうち不動産の割合が多い方は、いざという時の相続税の納税資金が準備できているのかどうか、一度試算されることをお勧めします。 また、多くの方が、死亡保険金の非課税枠を期待して保険加入されていたと思いますが、他の金融商品との公平性を保つために、原則廃止のような扱いになりました。今後の相続対策の一環として、今ご契約の保険商品の見直しもしていくとよいと思います。なお、死亡保険金とは別に、同様の死亡退職金の非課税枠がありますが、この大綱ではふれられていないため、今後の立法の結果を待ちたいと思います。
<ところで>
実は、税制改正大綱というものは税制調査会の中では改正案として配布されていましたが閣議決定され案がとれているはずなのにも関わらず、この税率の表だけは、「改正案」として案の文字が残ってしまっています。
単に編集ミスなのか、それとも国会で少し率を見直す余地を残しているのか・・・
「案」の文字がこっそりしかけられた官僚の爆弾でなければいいのですが・・・
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7 税務調査の権利が明確に(納税者権利憲章の制定)
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調査手続の透明性及び納税者の予見可能性を高め、調査に当たって納税者の協力を促すことで、より円滑かつ効果的な調査の実施と、申告納税制度の一層の充実・発展に資する観点から、税務調査に先立ち、課税庁が原則として事前通知を行うことを法律上明確化します。ただし、悪質な納税者の課税逃れを助長することのないよう、課税の公平確保の観点を踏まえ、一定の場合には事前通知を行わないこととします。また、調査終了時の手続について、課税庁の納税者に対する説明責任を強化する観点から、法律上明確化します。なお、現行の調査実務上行われている物件の預かり・返還等に関する規定を法律上明確化します。
<税理士 芳賀の視点>
威圧的な税務調査や、事前通知のない税務調査はここ最近減ってきているようですが、税務調査における納税者の権利、税務署の権限・説明責任がしっかりと明文化されるのはいいことではないでしょうか。一方、これまで、税務署には「質問検査権」しかなく帳簿書類等のコピーは任意であった(拒否できた)ものが、「提示・提出をもとめることができる」権限が明文化されます。税務調査で否認を受けないためにも、帳簿書類の整備・保管については、これまで以上に、しっかり対応する必要が出てきているともいえます。
(あとがき)
今回は、大綱発表が15:30と夕方でしたが、税理士会会合があり、忘年会終了後に事務所に戻っての執筆となりました。朝刊より早く顧問先様に速報をお配りしようと、深夜にメールでお送りしたもので、ブログ掲載記事は、それをテキストのみに加工したものです。
135ページの大綱ですのでまだまだ読み込みが足りませんが、ニュースにならずに影響が大きいものがありますので、
顧問先様の影響のある項目はしっかりチェックして説明して回りたいと思っております。
(記)所長 芳賀保則
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税理士法人ハガックス
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町28-6
TEL 03-3476-1381
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【採用:渋谷区】(スタッフ、庶務)
税理士法人ハガックス(渋谷区桜丘町、渋谷駅徒歩5分)では、事務所拡大により、若干名ですがスタッフの募集を行っております。(平成22年12月現在)
http://www.hagax.com/company/recruit.html
応募お待ちしております。
(所長補足:特徴)
税理士法人ハガックスは法人化して3年のフレッシュな事務所です。
いち早く全件電子申告の体制を確立し、PCの利活用による省力化に積極的に取り組んでいます。
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渋谷駅徒歩5分、落ちついた雰囲気の中で一緒に仕事をしませんか?
税理士・中小企業診断士
所長 芳賀保則
ダイレクト納付
こんにちは、鈴木です。
今年も残すところあとわずかですね。仕事持ち越さないようにがんばります。
さて、今回はダイレクト納付についてです。
ダイレクト納付とは、事前に税務署へ届出等をしておけば、e-Taxを利用して電子申告等又は納付情報登録をした後に、届出をした預貯金口座からの振替により、簡単なクリック操作で即時又は期日を指定して納付することができる電子納税の新たな納付手段です。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/nozei-shomei/annai/24100030/index.htm
このサービスを利用すれば、会社の経理担当者が金融機関に行くことなく納付が完了します。
インターネットバンキングの契約が不要で、納付手続きがクリック操作でできるなどメリットがあります。
昨日訪問した顧問先でも導入したいという希望があり、簡単な操作説明をしてきました。
毎月源泉納付がある会社などはとても便利だと思います。銀行の窓口の待ち時間も含めて
平均1時間待つとすると、その分の時間給分の人件費が12ケ月分も節約できるわけですからね。
ただし、『電子申告』が前提になります。当たり前か・・
(でも、会計事務所ですらまだ対応していないところもあるようですよ。)
時代はどんどん電子化の波が進んでいますので、取り残されないようにしないといけませんね。
※税理士法人ハガックスは年内は28日まで営業しております。
年明けは1月5日からの営業です。
(記)鈴木 良期
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信頼の継続をモットーに
税理士法人ハガックス
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