お知らせ
生成AI利活用ガイドラインを策定しました。税理士法人ハガックス
2025年06月02日
税理士法人ハガックス 生成AI利活用ガイドライン(修正版)
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1 背景と目的
税理士法人ハガックスでは、生成AI(ChatGPT、Gemini等)を業務効率化やサービス品質向上の手段として積極活用する方針を採用します。生成AIは、文脈に基づいて次の語を予測し、自然な文章を生成するシステムであり、強化学習やファインチューニングにより高精度な出力が可能となる有用な支援ツールです。一方で、その特性上、➀誤情報をもっともらしく出力する「ハルシネーション」は避けられず、➁入力情報が学習に利用されることによる情報漏えいのリスクについても、十分な留意が必要です。本ガイドラインは税理士法人ハガックスの「まずはやってみよう」の精神を尊重しつつも、法令遵守、情報セキュリティ、品質管理に対し配慮し、全社員・パートが安心して生成AIを活用できる運用ルールとリスク管理を定めます。
2 基本的な方針とルール
戦略的資源としての位置付け: 生成AIを戦略的資源として、業務内容に応じたライセンスの適切な割当を行います。ライセンスは法人管理下での利用を厳守し、全社員に配布し情報保護を徹底します。
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- 標準ツール: ChatGPT Teams、Gemini for Google Workspace(Google標準)
- 積極的な活用: 業務効率化と品質向上を目的に積極的な利用を奨励。
- 最終確認の徹底: AI出力は必ず人間が最終確認・修正し、公式情報源で再確認。
- その他ツールの利用: Bard、Claude等は事前許可制。
- 入力情報管理: 匿名化・一般化、法人管理下での履歴保持を基本とし、必要に応じてセキュリティ対策(匿名化、アクセス制御等)を実施。
- 教育と安全性: 全員に教育・利用環境を整備し、入力・出力・共有の安全性確認を実施。
3 実際の活用と注意点
活用例
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- 法令・判例の要約、初期調査資料作成
- 試算表分析、傾向分析、グラフ作成、仕訳ミス発見
- マーケティングアドバイス、アイデア出し、事業計画策定支援
- 顧客対応(初期問い合わせ文作成)
- 研修資料作成、新税制学習支援
注意点
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- 顧客・機密情報を含めない
- 出力内容は必ず人間が確認・修正し、公式情報源で再確認
- 履歴保持により出力内容の出所を追跡可能とし、必要に応じて匿名化等のセキュリティ対策を講じる
- 定期的な運用ルール見直し、改善継続
4 リスク管理のポイント
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- 著作権リスク:生成物の著作権確認と引用範囲明確化
- 情報漏洩対策:設定確認、法人管理下での履歴保持、匿名化、アクセス制御、認証管理
- 誤情報生成防止:複数情報源確認、税務判断は法令・通達・判例まで裏付け
- セキュリティ全般:信頼できるツール選定、パスワード管理、システム管理者による定期点検
5 導入と運用の流れ
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- 導入前準備:ツール選定・生成AIの学習に用いられない事前設定、教育実施
- 運用ルール策定:禁止事項(機密情報入力禁止、出力確認義務)の周知
- 継続的見直し:定期教育、社内意見収集、法改正・技術進歩への対応
6 社内チェックリスト(抜粋)
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- 入力情報に個人・機密情報が含まれていないか
- 出力結果を人間が確認・修正したか
- 法人管理下で履歴保持・認証設定が適用されているか
- 保存・共有ルール遵守状況
- 外部送信時の事前承認確認
7 まとめと宣言
生成AIを「効率化と品質向上」の武器として活用し、法令遵守・情報保護・信頼性維持を徹底します。
全員が積極的に生成AIを活用できるよう、「まずはやってみよう」の精神を尊重しつつ、リスク管理を徹底し、より良いサービス提供を実現します。
バージョン0.2(2025年6月2日修正版)